研究内容

キノコ類の応用利用に関する研究(バイオレメディエーション)

様々な汚染環境を、生物機能(微生物や植物)を用いて修復する技術を「バイオレメディエーション」といい、世界各国で研究が進められ、一部の技術は利用されています。白色腐朽菌も、難分解性であるリグニンを分解可能であることから、難分解性環境汚染物質の分解に応用できないかという研究が世界各国で進められています。当研究所では、白色腐朽菌や白色腐朽菌が産生するリグニン分解酵素を用いて、難分解性環境汚染物質の分解・無毒化に関する研究を展開しています。

これまでに、

(i) マンガンペルキシダーゼ(MnP)によるカビ毒アフラトキシンB1(AFB)の分解・低毒化

(ii) リグニンペルオキシダーゼによる環境ホルモン類の分解・無毒化

(iii) P. sordida YK-624株による環境ホルモン ビスフェノールA(BPA)の分解・無毒化

(iv) カワラタケによるジウロンの分解

(v) P. sordida YK-624株によるネオニコチノイド系殺虫剤(ミツバチの大量失踪・大量死の原因物質)の分解・無毒化

を報告しています。特に(iii)及び(v)において、分解の初発の反応にシトクロムP450が関与していることを世界で初めて見いだしました。現在も研究は展開しており、白色腐朽菌の可能性(社会実装も含む)について検討を進めているところです。