研究所について
所長挨拶
現在、我々が生きている地球は様々な問題を抱えております。新型コロナウィルスによるパンデミック、地球温暖化、人口増加、環境破壊等、これら問題は一朝一夕には解決出来ない、複雑な課題を抱えております。キノコ科学研究所では、これら複雑化している課題を「キノコの力」で解決するため、多様な専門分野の研究者の英知を集結させ、問題解決に資する研究を展開しております。キノコといったら食用キノコを連想する人が多いと思いますが、「食としてのキノコ」の他、キノコには様々な機能性成分が含まれており、様々な疾病に有効であることや農作物生産に有効であるが知られております。また、キノコの大部分は自然界において木材の腐朽・分解に関わっており、これらの能力を利用して、バイオ燃料生産や環境浄化といった「地球環境保全のためのキノコ」としても活用可能です。キノコの分野において最高峰の研究所を目指しておりますので、今後とも宜しくお願い致します。
研究所について
キノコとは、担子菌・子嚢菌類が形成する大型の子実体を指し、一部のキノコは食品として流通している重要な農産物です。食品用途以外にも様々な重要な機能を有しています。
キノコ科学研究所では、以下に示すキノコ研究を各研究員が連携し包括的に推進しています。
1. キノコの有する、新たな薬理成分や毒性成分など様々な生理活性成分の探索、その生合成経路の解明、薬品や農薬等への応用展開
2. 菌糸がもつ様々な有益な機能(木材分解、環境汚染物質分解、発酵など)のバイオリファイナリーやバイオレメディエーションへの応用を目指した研究
3. 森林などの生態系で分解者として重要なニッチを占めるキノコ類の、植物や細菌との生物間相互作用の解析
4. 本研究所で使用するキノコ及び優れた特性を持つキノコ類のゲノム情報基盤の整備
キノコとその仲間にまつわる現象、機能は非常に多彩であり無限の広がりと可能性を持ちます。静岡大学には、各分野のキノコ研究で世界的に顕著な研究業績を上げてきた研究者が所属していますが、近年では科学的な課題・問題が複雑化しており、学際的な視点からの解決が求められる様になってきました。そこで、「キノコ科学研究所」は異分野連携を強化することにより、それぞれの研究課題に対し新たな学際的視点からの研究展開を推進し、研究レベルを一段回押し上げる事を目的として発足しました。さらに、学内分担者に加え異なる専門性をもつ客員研究員及び協力研究員が参画することで、キノコの生理機能から応用利用までの総合的な知の集約を図り、キノコ研究における世界的拠点を目指しています。
参加研究者が所属する研究機関は以下のとおりです。
宇都宮大学農学部